ハートフルクリニックに関するQ&A

Q1. 院長が医師を目指した理由は?
A1. 幼いころの病弱体質がきっかけです。
幼いころ病弱で、アトピー治療や喘息発作で何度も病院を通院した経験から、医療の大切さを知りました。
子供のころから医療が身近にあったところ、高校生のときに読んだ医療関係の本に感動して、命を守る医師を目指しました。
最初は生死の境で命を守る救急医療に従事し、最終的には心臓病を診る医師になりました。
現在は、病気と健康の境目で門番をする、予防医学やアンチエイジングを専門とする医師として活動しています。

Q2. 平良院長の活動内容を教えて下さい。
A2. ①教育、②研究、③診療に分けて実践しています。
① 教育:一般者向けの教育として、毎月1回の小規模予防医学講演会と、年2回の250人規模の講演会を実施しています。医師向けには、年4回、総論と各論に分けて実施しています。
資格認定制度を実施しています。
一般向け資格認定講座:サプリメント大学、統合医療大学、アンチエイジング大学の3つの講座を用意しています。
それぞれ受講された方には、ASCA(アンチエイジングセルフケアアドバイザー)、IMAC・AIMA(癌統合医療アドバイザ・―・アンチエイジング統合医療アドバイザー)、AIMS(アンチエイジング統合医療スペシャリスト)の称号を授与しています。
最終資格AIMSは、試験に合格した方を対象としています。
AIMSの資格とともに、バッジを授与しています。
医師・歯科医師向け資格認定講座:サプリメント療法認定医、点滴療法認定医の講座を設けています。
② 研究:サプリメントの使い方、その特性をサプリメント療法レシピファイルにまとめ、サプリメント外来を始める先生方に対する情報を、ファイルにまとめています。将来サプリメント外来を始める先生方へ情報提供できるように調査結果をまとめています。さらに点滴については、試験管やビーカーなどを用いて、配合の実験を行っています。適性な配合を求めて、安心できる点滴の作成方法を研究しています。その結果を点滴療法レシピファイルに記録しています。さらに代謝経路図上新たな発見があれば、それを代謝経路図に記して、分かりやすくしています。
③ 診療:ハートフルクリニックでの外来、遠隔サプリメント外来、医師から相談があった場合の回答を通しての遠隔治療などを行っています。
④ その他:新聞、雑誌の投稿、ラジオ収録、全国での講演会などを行っています。

Q3. なぜ予防医学やアンチエイジング医学を実践しているのですか?
A3. より多くの人を救えると考えているからです。
多くの病気や病で倒れる人を診るうちに、そのようにならないようにするための医療、すなわち予防医療が大切だと実感するようになりました。
病気になってからでは遅いと感じるようになり、さらにできるだけ病気から遠ざかるためには、積極的な予防医学と言われるアンチエイジング医学を広めるべきと感じ、現在それらを中心とした医療を実践しています。
2005年には全国で初めて実施された日本抗加齢医学会専門医試験を受け、合格したことから全国および沖縄県でも最初のアンチエイジングドクターとして活動するようになりました。

Q4. サプリメント外来、点滴療法をしたきっかけは?
A4. 友人から勧められたサプリメントを服用して、当時あった肩こりが劇的に改善したのに気付いて、不思議と栄養素について勉強するようになりました。特に栄養と健康、肩こりや頭痛、めまい、低体温、冷え症など、いわゆる現在でも不定愁訴と言われ、西洋医学が得意としていない分野について栄養面から治療することを考えたところ、栄養とそれら不定愁訴が関連すること、栄養素やサプリメントによって治療可能であることに気づき、サプリメントや点滴で栄養素を入れる新たな治療方法や概念を確立しました。それらは後々全国の先生に知られることになり、“タイラズメソッド”と言われるようになりました。

Q5. ハートフルクリニックが保険診療を廃止して、自由診療外来をしているその思いは?
A5. 体に優しい医療を目指した結果です。
現在ハートフルクリニックでは、保険診療を全廃して、自由診療外来のみ実施しています。
いわゆる西洋医学を中心とする保険診療は、救急や外傷、手術などの急いで命を救う医療分野では、ものすごく力を発揮しています。
私自身は西洋医学肯定派であり、西洋医学をベースにして現在の自由診療外来を展開しています。
ではなぜハートフルクリニックが西洋医学を廃止したか?西洋医学だけでは限界を感じていたからです。
栄養素の補充をするようになって動脈硬化が改善する例や魚の油であるEPAで中性脂肪が低下する(EPAは医薬品にもなっています。中性脂肪の低下作用には個人差があります)ことを経験するようになり、より体に優しい医療が実践できることを知り、薬を使用しないで、食べ物やサプリメントなどで治療を行い、できるだけ病気や薬の副作用から遠ざかる医療を、多くの方に教えることを考えました。
このような栄養療法を実践していくうちに、薬を中心に使う西洋医学では達成できない、根本療法をしていることに気付き始めました。

Q6. ハートフルクリニックで実践している根本療法とは?
A6. 一つの例として、足を切断すると言われた方が、切断を回避した方がいます。
高齢で糖尿病の持病のために片方の足首以下の血流が途絶え、皮膚の一部も黒くなった方が、その部分を切断すると言われた、何とかしてほしいということで来院されました。
診察したところ、足指に至る血管の拍動は途絶え、皮膚は冷たく、一部が壊死(細胞死)をしていました。さらに深くえぐれるように潰瘍を作っており、明らかに下肢切断と言われてもいいくらいひどい状態となっていました。
その方に対して、キレーション点滴、アメリカではパイプスルー点滴とも言われているその点滴をを実施しました。
数か月実施し、栄養素やサプリメントの補充、一部皮膚が再生する薬剤も使用したところ、途絶えていた血管の拍動を感じるようになり、冷たかった皮膚が暖かくなっているのを感じるようになり、さらに潰瘍が浅くなっている結果を得ました。皮膚の血色も改善していました。
結果的に下肢切断は回避されました。
このように、足を切断することより、足を切断しなくてもいいようにすることが根本的な治療になります。
このように病気の根本原因を探し、改善していく治療を実践しています。

Q7. タイラズメソッドとは何ですか?
A7. オリジナルの治療法です。
次がその内容となります。
 代謝栄養療法:代謝異常を診断して治療する方法です。
 コレステロール代謝(コレステロール合成前、合成後)
 ミトコンドリア代謝(電子伝達系、複合体、膜、活性酸素との関係)
 トリプトファン代謝(セロトニン合成、キヌレニン合成)
 リノール酸合成(アラキドン酸、プロスタグランジン)
 アミノ酸代謝(BH4、SAMe・・・、セリン、グルタミン酸、グルタミン)
 神経伝達物質(セロトニン、ドーパミン、GABA)
 NMDA受容体(セリン、リジン、アスパラギン酸、グルタミン酸)
 活性酸素代謝(SOD、CTL、GPx)
 糖質代謝(AGE代謝)
 解毒(グルタチオン、メタロチオネイン)
 メチレーション
 ポルフィリン代謝
 遺伝子(テロメア、長寿遺伝子)
 ヒスタミン、アデノシンバランス
 THバランス(免疫調整療法):免疫細胞のバランスを整える方法です。
 NSバランス(活性酸素調整療法):活性酸素のバランスを整える方法です。
 CDバランス(ホルモンネットワーク療法):ホルモンのバランスを整える方法です。
 腸管免疫療法:腸管内細菌のコントロールをする治療法です。
 サプリメント時間治療:サプリメントの服用タイミングを考慮した治療法です。
 アミノ酸療法:血液中アミノ酸を分析して治療する方法です。

Q8. ハートフルクリニックの経緯を教えて下さい。
A8. 最初は西洋医学を行う通常のクリニックとして、風邪、高血圧、糖尿病などの慢性疾患を診ていました。
1998年ころからサプリメントを使うようアドバイスするようになり、そのころからサプリメント外来が始まりました。
コレステロールを薬なしで改善した例をきっかけにして、サプリメント外来が求められるようになり、その後2003年からはキレーション点滴を中心とした点滴療法も加わり、治療の幅が広がりました。
さらに、2006年から代謝を基にして栄養素の改善をもとに治療する代謝栄養療法を実践し、数年前からバイオロジカル療法を取り入れ、代謝栄養療法と組み合わせて、実践するようになりました。
その結果、病態の診断がより深くなり、根本療法がより幅をもち、有効性も高くなりました。

Q9. ハートフルクリニックの治療方針を教えて下さい。
A9. 治療方針は、病態診断をすることと、根本療法を行うことです。
さらに外来に来なくなる状態である卒業をもたらすことです。
卒業後は、メンテナンスで通院頂くのですが、ご自分で体のことを把握して、必要な栄養素を摂取して頂きます。
それにより、病気にならない体づくりをして頂きます。
ちなみに「病気にならない体づくり」は2005年私が出した本のタイトルです。

Q10. ハートフルクリニックが他のクリニックと異なるところは何?
A10. まず、全国の医師や歯科医師向けにサプリメントや点滴療法に関するセミナーをして、指導医として活動していることです。またタイラズメソッドとして全国で知られるオリジナルの治療法をいくつか持っていることです。それを医師向けのセミナーで情報提供していることです。
遠隔サプリメント外来という全国初のシステムを実践していて、全国どこでも血液データからアドバイスが得られることも特徴の一つです。
一般向け、医師・歯科医師向け資格認定講座を実施していることも違いとなります。

Q11. ハートフルクリニックを受診する際のシステムについて教えて下さい。
A11. 外来前にヒアリングがあり、外来後におさらいがあります。
外来では、医師による説明がありますが、その前にどのようなことでお悩みかを30分ほどで確認させて頂き、医師に伝えそれに対する回答を用意します。その次に外来で医師から説明、その後医師から説明されたことをより実践的にアドバイスするおさらいの時間を設けています。
トレーニングされ院内資格を有するスタッフが丁寧に説明します。」

Q12. 全国の医師・歯科医師にセミナーをしている目的は?
A12. 予防医学やアンチエイジング医学を全国にひろめ、家庭の中へも広めるため、医師や歯科医師の先生方にもご協力頂いています。これまで述べ500人ほどがセミナー受講して頂いています。
総論は、2008年に第一期が開講し、2013年で第15期の受講となります。
各論は、2008年に第一期が開講し、2013年で第17期の受講となります。
サプリメント療法と、点滴療法の認定医はのべ50人以上が誕生しています。

Q13. ハートフルクリニックでの成功例を教えて下さい。
A13. 自由診療外来の有効性を示す例の概要をお示しします。
① 動脈硬化改善例
50代女性、動脈硬化を指摘され、他の医療機関から「動脈硬化は改善するものではありません、進行するばかりですよ」と言われ、落胆を隠せず来院されました。その方に対して、和食中心の生活、SOD酵素、EPAなどのサプリメントを用いた栄養療法を実施したところ、6か月で動脈硬化レベルが低下していました。その方には、動脈硬化レベルは努力によって改善するものであることを伝えました。
② 下肢切断を宣告されたが切断を免れた例
80代の女性が、足首からの切断手術を整形外科で宣告され、なくなく私のもとに来られました。足首の動脈は触れず、皮膚の一部は壊死を起こし、冷たく、いつ切断されてもいい状態でした。
キレーション点滴という血管を再開通させる治療を行ったところ3~4か月ほどしたところで動脈が触れるようになり、冷たかった皮膚も温かくなり、皮膚の状態もよくなりました。その状態を確認したので、切断は不要と判断し、その女性に伝えました。
③ 脳手術を勧められたが回避した例
50代男性のケースは、CT検査の結果、脳血管の一部に異常があるとのことで、手術を勧められて来院されました。前述と同じくキレーション点滴をしたところ6か月後のCT検査では異常が改善されているとのことで、手術不要と脳外科医から伝えられました。
④ アトピーの改善例
小学校4年生の女児、顔面や足に皮膚炎を起こしていました。食事の改善と若干のサプリメントを用いて、数か月間様子を見ました。
次の外来受診時には、小学校4年生本来のキレイな肌を取り戻していました。
⑤ 統合失調症の改善例
20代女性の例では、統合失調症と診断されたが薬剤を服用するのを拒否されて来院。サプリメントと食事の改善、糖質制限をして頂き、4か月後には就業に至るまで改善されていました。
私の見立てでは、統合失調症ではなく、栄養失調や糖代謝異常からくる脳機能障害(統合失調症の一部なのかもしれませんが)と思われました。
⑥ 自閉症の改善例
私が嘱託医をしている保育園で半年に1度行われる健康診断時に、聴診器を当てようとすると大きな奇声を発し、会話が成立せず、激しく暴れ回り、手の付けようのない2歳の男の子がいました。保育士から自閉症と診断されていることを告げられた私は、両親を保育園に呼んで事情を聴いたところ、食の偏りがあることに気づきました。さっそく両親に改善を依頼し、納豆や魚を中心とした日本食、野菜ジュース、糖質制限を開始しました。
1年後の健診では、少しおとなしい彼の姿がありましたが、まだ目を合わさないなどの明らかな異常がありました。
2年後、いつも通り全児童の健診をしたのですが、全員診察を終えた後、異常を呈するあの子はいませんでした。
最後に診察した男の子を抱えながら、保育士が「先生、この子・・・覚えていますか?」と聞かれて、私は「いいえ」と回答しました。
最後に診察し、普通に聴診器を当てられ、会話ができた4歳の男の子が、気にしていたその子でした。
保育士から「お陰様で、この子は普通の幼稚園に入園することが決まりました。ありがとうございます。」と医者冥利につきる、うれしい言葉を頂きました。
私がしたことは、食生活を改めただけですが、食が大切であることを、改めて教えてくれるものでした。

Q14. なぜ、1日の外来が3組だけなのですか?
A14. ハートフルクリニックでは、外来の少なくとも1日以上前から、その方の代謝のどの部分が悪いのかをピンポイントに把握するべく、時間をかけて解析しています。これがいわゆる病態診断となります。同じ病名でも、悪い個所が異なる場合は少なくありません。
代謝上のどこに問題があるのかを把握することは、その部分を改善するためにはとても必要になります。
また、根本的に治す可能性が高くなります。
その解析に時間がかかり、さらに当日外来での説明(前述のヒアリング→医師説明→おさらい)にも時間がかかるため、1日3組までしか診れないのです。
より濃厚な時間をかけて、より治療効率を上げるべく、少数外来となっています。

Q15. 完全予約制にしている理由は?
A15. 予習としての解析が必要であることから、突然来られてデータを見せられると、長い時間お待ち頂くことになります。
長い場合解析に5時間かかる場合があります。そこまで細かく解析を行っています。
そのため、完全予約制でなければ成り立たないのです。

Q16. 使用しているサプリメントは?
A16. 無添加を基本として使用しています。
使用するサプリメントはアメリカ製の高容量を使用する場合もあれば、日本製の低用量を使用する場合もあります。
カプセルの素材は、食物繊維でできているベジカプセルをセレクトしています。

Q17. ハートフルクリニックの外来費用が高い理由は?
A17. 当日の外来では、長くてほんの1時間ほどしかかからないように見えて、当日以前からの解析に時間を要し、時間的コストがかかっています。前日までに、外来で説明する点滴やサプリメント、ライフスタイルの処方箋となるアドバイスシート、推奨するサプリメントの価格、1月の費用などを記載したサプリメント一覧を作成しておきます。代謝異常を解析する場合は、代謝解析表を作成します。
これに1時間~5時間の時間がかかります。
点滴材料やサプリメントについては、できるだけ無添加の素材をセレクトしていることもコストが高い理由になっています。たとえばてんかんをお持ちの方が、不用意にサプリメントを選択されるとてんかん発作を誘発してしまうこともあります。
そのくらい点滴材料とサプリメント素材の選択は慎重になる必要がある反面、コストが高くなります。
特に点滴に使用する薬剤は、輸入物を使用しているため、コストが高くなっています。