キレーションセンターの疾患別アドバイス「イイナ」:慢性疲労

慢性疲労

慢性疲労について

 慢性疲労症候群には、診断基準があります。
 少なくとも6ヶ月以上持続あるいは繰り返す疲労とされていますが、ここではそのような定義義によらず、疲労感を感じておられる方を対象にしてその対処方法を記載したいと思います。
 診断がつくまで6ヶ月も待っていられないですから。

【慢性疲労の原因として考えられるもの】
 私なりに慢性疲労の原因と考えられるものを列挙してみました。

1.運動
 運動不足により体内の代謝が低下し、運動によって分泌される成長ホルモンが低下し、細胞内の糖の取り込みも低下、運動により誘導される酵素活性が少なくなったり、NK細胞活性も低下することなどが、慢性疲労の原因になりえま
まったく運動しないで寝たきりを続ける実験をしたところ、骨からカルシウムが逃げ出して(表現は非化学的ですが、わかりやすくするためです。ご了承下さい。)、尿中に排泄されることがわかっています。すなわち、運動不足によりミネラルバランスも崩れるということです。カルシウムの低下は筋肉収縮を阻害したり、こむら返りの原因にもなります。

2.栄養・食事
 当然ながらいいものを食べていないと疲労が起こります。
ビタミンやミネラルが豊富な野菜や果物を多く摂り、さらに魚の摂取をすることです。
江戸時代、田舎から出てきたものが、江戸で白米を食べ始めると脚気になったということで、江戸わずらいと言われるようになったそうです。
食べ物で病気が起こるのです。
美味しいものばかり食べずに、健康にいいものを美味しく頂きましょう。

3.栄養療法
 自分で栄養について熟知し、セルフケアをすることが大切ですが、そのような体のケアをしない場合にも慢性疲労が起こります。前述のとおりで栄養の偏りをなくすことです。いいものを食べる心がけを持つことです。

4.休養・癒し
 体を休めることが休養、心を休めることを癒しと言います。ストレスがかかるとホルモンバランスが崩れます。特に女性は生理がとまる場合もあります。それほど人間には休養や癒しが必要なのです。睡眠は、短すぎても、長すぎても体には毒です。7時間前後がいいと言われています。

5.抗酸化
 疲労の中心に体の酸化があると思われます。体が酸化すると皮膚表面の脂が酸化して、加齢臭というにおいが発生します。このようなにおいがあるとすでに酸化しているのです。

6.ホルモン
 ホルモンバランスの乱れ、あるいはホルモン分泌の減少も疲労の原因になります。成長ホルモンは抗老化ホルモンと言われていますが、やはり加齢により減少していきます。

7.遺伝子
 現在では、食事の成分が遺伝子発現に作用すると言われています。
大豆を摂ると、善玉物質であるアデイポネクチンが増えることも分かっています。
遺伝子の違いで抗酸化力も個人差が出てくると思われます。抗酸化は疲労と関係しますので、遺伝子レベルでは疲れやすい疲れにくいなどの個人差が発生する可能性があるのです。
生まれ持った遺伝子を変えることはできませんが、その発現を変えることは食事でも可能なのです。今後の研究によって疲労遺伝子、疲労抑制遺伝子が分かってくると思います。それら遺伝子発現を食事でコントロールできたら疲労の制御も可能かもしれません。

8.体内インフラ(血管・腸管)
 体内インフラとは、血管と腸管を意味します。
血管も腸管も体を駆け巡る管です。高速道路のようなものです。スムーズに流れなければいけません。例えば血管の流れが停滞すると心筋梗塞、脳梗塞になります。腸管の流れが停滞するとイレウスという死にも直結する病態になるし、便秘になると発癌物質などの有害物質が血中に入り込み体調不良、疲労の原因になりま
血管も腸管もスムーズがいいのです。

9.定期健診
 慢性疲労の原因として体内物質の過不足があります。
糖が多くて糖尿病があれば疲れやすくなります。さらに貧血でヘモグロビンや鉄が低下していると同じく疲れやすくなります。
ビタミンC不足やカルシウム不足もそうです。
このように体内に必要なものが十分にあり、高くてはいけないものが適値にあることが、大切なのです。
そういう意味では定期検診で疲労の原因をチェックして対処することが必要となります。

10.解毒
 科学技術の発達や地球規模での汚染の結果、私たちの体には毎日有害な物質が入り込んでいます。ダイオキシン、PCB、水銀、鉛などがそうです。それらは疲労の原因にもなります。除去する必要があります。解毒は抗疲労にとって大切な考えの一つとなります。

11.サプリメント
 恐らく、ビタミンやミネラルなどのサプリメントを日ごろから摂取しない方々は、慢性的な疲労に見舞われていると思います。
サプリメントを摂取することは、現代社会では必要なことと考えられます。

12.免疫
 免疫力の低下も疲労の原因になります。免疫力が一時的に低下した状態で感染が起これば、体内に炎症性物質が発生するとともに疲労感が出現します。ウイルスなどによる感染も慢性疲労の原因と言われています。

13.代謝・酵素
 代謝は酵素によって行われており、その酵素はたんぱく質、ビタミンと亜鉛やセレンなどの生体機能支援金属で出来ています。それらが不足すると代謝酵素が作られずこれも疲労の原因になります。
消化酵素不足は、下記のように消化吸収が阻害され、疲労の一因になります。

14.消化吸収
 栄養の吸収が低下すると栄養素不足になり疲労の原因になります。きちんとした消化吸収がされないといけないのです。

【疲労対策の検査】

1.採血検査
 特に、貧血検査、貯蔵鉄検査のフェリチン、肝機能、腎機能、血糖、ヘモグロビンA1C、たんぱく質代謝、脂質代謝、糖質代謝、ミネラルバランス、リンパ球比率など。

2.炎症反応採血
 高感度CRP(体内の炎症を測定するものです)

3.ホルモン検査
 ホルモン検査、特に性ホルモンや甲状腺ホルモン、成長ホルモンなどの検査。

4.有害金属検査
 ミネラルバランス検査:毛髪で実施できます。

5.ストレスチェック
 ストレスチェッカーという測定器で実施できます。

6.抗酸化力検査
 FRAS4で測定できます。

7.さび付き度の検査
 FRAS4で測定できます。

8.活性酸素測定
 尿検査で実施できます。

9.LBA(血液細胞分析検査
 顕微鏡で血液中の血球、特に赤血球の形態やサラサラ度を見ると体の状態がわかります。

10.身長、体重、体組成計
 体脂肪や内臓脂肪を測定します。内臓脂肪過多は脂肪組織から各種サイトカインという物質が出て代謝を悪化させます。

11.血圧測定

12.血中ビタミン、ミネラル測定

【推奨サプリメントアドバイス】

慢性疲労の原因は、前述のとおり多岐にわたるので、専門家が個別に問診して下記のサプリメントのいずれを使用するかを決めるべきだと思います。
マルチビタミン&ミネラル
コエンザイムQ10
ビタミンC
★ナイアシン
★αリポ酸
★L-カルニチン
EPA・DHA
DHEA(ホルモン)
ビタミンB群
★L−シトルリン
冬虫夏草
★ピクノジェノール
アスタキサンチン
★イソフラボン(女性の場合)
亜麻の実(女性の場合)
★ヘム鉄(潜在性を含め、貧血がある場合)
★プロテイン(蛋白不足がある場合)
★乳酸菌(アルベックスダイヤキング
★大豆系サプリメント(ソデッシュ
★食物系サプリメント(βグリーン
レスベラトロール
★還元水、アルカリイオン水、水素水など。

【推奨食事、ライフスタイル】

★納豆
★豆腐
★赤身肉
★玄米
★毎朝、にんじん+リンゴのミキサージュース
★野菜、果物
★砂糖は少なく
★魚、特に青魚
★インスタント食品やジャンクフードは禁
★タバコ禁
★酒、1日1合以内

【他の疲労対策】

マイヤーズカクテル
ビタミンC点滴
プラセンタ療法
キレーション(有害金属がある場合や、動脈硬化がある場合)
★コーヒー浣腸(解毒、便秘解消)

ご質問などは、下記からお気軽にお問合せ下さい。
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